2013年10月25日金曜日

ルンペン節

西条高校は名門である - 西条八十


西條 八十(さいじょう やそ、男性、1892年(明治25年)1月15日 - 1970年(昭和45年)8月12日)は、日本の詩人、作詞家、仏文学者。


「ルンペン節」(作曲:松平信博、歌唱:徳山璉、1931年) - 西条八十


ルンペンプロレタリアート(独:Lumpenproletariat)とは、日雇いなど種々雑多の最下層の労働者階級の蔑称を指す。略して「ルンプロ」ともいう。またこの言葉より派生して日本で浮浪者を指してルンペンと称することもある。


日本中を震撼させたあさま山荘事件の当事者である「連合赤軍」は、この事件を起こす前に「総括」と呼ばれる同志殺しを行っていた。1972年1月1日には、当時22歳であった赤軍派所属の進藤隆三郎をルンペンプロレタリアートという事由で集団リンチし、殺害した。


これなのかな? 

ルンペン節
柳 水巴 作詞
松平信博 作曲
青い空から 紙幣の束が降って
とろり昼寝の ほっペたをたたく
五両十両 百両に千両
費い切れずに 目がさめた
ハハハハ…… アッハハハ
すっからかんの 空財布
てもルンペン のんきだね

酔った酔ったよ 五勺の酒で
酔った目で見りや スベタも美人
バット一本 ふたつに折って
分けて喫うのも おつなもの
  ハハハハ…… アッハハハ
すっからかんの 空財布
てもルンペン のんきだね

プロの天国 木賃ホテル
抱いて寝て見りや 膝っこも可愛い
柏ぶとんで 時雨を聴けば
死んだ女房が 夢に来た
ハハハハ…… アッハハハ
すっからかんの 空財布
てもルンペン のんきだね

金が無いとて くよくよするな
金があっても 白髪は生える
お金持でも お墓は一つ
泣くも笑うも 五十年
ハハハハ…… アッハハハ
すっからかんの 空財布
てもルンペン のんきだね


午後から近くの公民館で行われている文芸セミナー「現代の日本文学・・西条八十」に参加した。彼が作詞した歌謡曲の題名を聞くと、こんなにも多くの有名な曲を作詞したのかと思った。今日の講師は、大阪大谷大学文学部助教授 東典幸先生だった。会場は、圧倒的に女性の方が多い。その内容を下記に紹介する。

昨今、「文学の終り」お遊びの時代になってしまったと文学蹴鞠論まで囁かれている。西条八十は、明治25年東京に生まれる。
「かなりやの唄」「まりと殿様」「肩たたき」等数多くの童謡を残している。
若いころの作品(大正8年)「桐の花」は、『おもひ出でては あるも恐ろし 大理石(なめいし)の湯槽のなかに 忘れたる、その、桐の花』思い出しただけでも、恐ろしい。桐の花を湯槽の中に忘れていたとは・・・。
なまめかしい官能的な詩である。

彼を一躍有名にしたのは、日本で初めての歌謡曲といわれる「東京行進曲」(昭和4年)であろう。昭和2年、関東大震災で銀座の柳は全滅した。当時の最新の話題を歌詞にした。
『昔悲しい 銀座の柳』
明治10年代より銀座に植えられるのは、松・桜でなく、柳だった。その柳も震災で焼けてしまった。昔の銀座の柳が恋しいなあ。
『ジャズで踊ってリキュルで更けて』
昭和初期のモダンガール・モダンボーイを歌詞にした。
『いきな浅草 忍び逢い あなた地下鉄 私はバスよ』
昭和2年日本で最初の地下鉄が浅草~上野間に開通した。
『シネマ見ましょうか お茶のみましょうか いっそ小田急で 逃げましょうか』
昭和2年小田急が開業した。見事に歌詞の中に新しいものを取り入れている。

次いで紹介のあったのが、「ルンペン節」(昭和6年)だった。コミックソングの第一歩かもしれない。当時は暗い暗い世の中で、世界恐慌が起きた不景気な時代だった。作詞は柳 水巴となっているが、歌詞が不謹慎だと思ったのか、彼はペンネームを使った。
今の時代に聞いても、笑いがこみ上げてくる。
『青い空から 紙幣の束が降って
とろり昼寝の ほっペたをたたく
五両十両 百両に千両
費い切れずに 目がさめた
ハハハハ…… アッハハハ
すっからかんの 空財布
てもルンペン のんきだね

酔った酔ったよ 五勺の酒で
酔った目で見りや スベタも美人
バット一本 ふたつに折って
分けて喫うのも おつなもの
  (繰り返し)

プロの天国 木賃ホテル
抱いて寝て見りや 膝っこも可愛い
柏ぶとんで 時雨を聴けば
死んだ女房が 夢に来た
  (繰り返し)

金が無いとて くよくよするな
金があっても 白髪は生える
お金持でも お墓は一つ
泣くも笑うも 五十年
  (繰り返し)』
どこかで聞いたことがあるフレーズだと思われる方も多いだろう。クレイジーキャッツが唄っている「スーダラ節」とダブる部分がある。

昭和19年ころ戦地で盛んに歌われた「同期の桜」の元詞になった「二輪の桜」は下記の通りである。

『君と僕とは二輪の桜
積んだ土のうの影に咲く
どうせ花なら散らなきゃならぬ
見事散りましょ国のため』

この歌詞には、死にたくないが仕方なく死にましょうと皮肉が込められている。その歌詞が帖佐裕によって書き換えられた。

『貴様と俺とは 同期の桜  同じ兵学校の 庭に咲く
咲いた花なら 散るのは覚悟  みごと散りましょう  国のため』

改詞された内容では、皮肉でもなくなっている。

作詞者の彼(帖佐裕)は、平成7年亡くなったが、人間魚雷(人間が魚雷に乗って直接操舵し、敵艦に体当たりして敵艦を沈めるという兵器)「回天」の一期生だった。彼は没後、遺産2億4千万円を佐世保市に贈った。

西条八十は、軍国主義者のように見られているが、彼の「車窓にて」を読むと、彼の本心が表れている。茨城県の疎開地より2時間かけて東京まで通勤していた。

『大利根の水(利根川の水)
いくそたび 越えなば、戦火 熄(や)むべきか (何回越えれば戦争は終わるだろうか)
教子あまた 便絶えし 南の空に 舞う雲雀(ひばり) (学徒出陣した教え子たちからの便りも途絶えてしまった。もしかすれば、死んでしまったのだろうか、南の空で。或いは南の空で雲雀となって飛んでいるのだろうか)』このように、流行歌では彼の本音を出していなかったが、下記の彼の詩から本心が垣間見る気がする。

『ひもすがら ペンのさきより生まれくる やせしねずみの くろきねずみのあはれさよ』 

彼(西条八十)の最後の代表作は「王将」だった。そのモデルとなった坂田三吉は公にされていないが、堺の被差別部落出身だった。西条は将棋を全くと言っていいほど知らなかった。

『吹けば飛ぶような 将棋の駒に』という歌詞も、駒は紙でできていると思っていたという話もある。


西條八十
さいじょう・やそ
(柳 水巴)
【作詞】
東京都 新宿区 出身
明治25年(1892年)1月15日生
昭和45年(1970年)8月12日没
 音楽家年表
 詩人、フランス文学者。日本の大衆歌謡史の中で欠かすことのできない作詞家でもある。
 東京・牛込の生まれ。早稲田中学に学び、同校で生涯の師となる吉江喬松(よしえたかまつ)と出会った。吉江は農民文芸論の提唱者としても知られるフランス文学者で、早稲田大学文学部に仏文科を設けた人物。
 10代の頃から文学的才能を発揮し、15歳の時には三富朽葉たちと同人誌『深夜』を発表している。早稲田大学在学時には、三木露風、山田耕筰らと『未来』を創刊。1919(大正8)年、27歳の時に最初の詩集となる『砂金』を発表。1921(大正10)年、早稲田大学文学部の講師となり、以後長く同校の要職に就いた。同年には童謡集『鸚鵡と時計』、詩誌『詩聖』を発表している。
 戦時(1938年)には古関裕而らと共に音楽部隊隊長として中支戦線に従軍。
 戦後は、日本詩人クラブや日本詩人連盟を創立、このほか日本音楽著作権協会の会長も務めるなど、音楽~文芸の世界で重責をになった。
 童謡の作品としては「かなりあ」、歌謡曲としては「東京行進曲」「青い山脈」「蘇州夜曲」などたくさんの有名曲がある。
 ちなにみ、松田優作が主演した映画『人間の証明』のキーワードとなる「あの帽子…」は、原作を書いた森村誠一が、西条の詞「帽子」(母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね? ……)に大きなヒントを得たもの。
 なかしに礼が書いた小説『長崎ぶらぶら節』には、西条八十が日本の歌謡界で大変な権威者であったことがリアルに描かれている。
 名前の「八十」は実名。「苦」を示す「九」を抜いた人生を、との思いで、親が付けたもの。
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- 作品 -
「かなりや」
作詞 西條八十/作曲 成田為三
「肩たたき」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「鞠と殿さま」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「蛙の子」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「お月さん」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「おくれ時計」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「お山の大将」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「九人の黒んぼ」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「玩具の舟」
作詞 西條八十/作曲 成田為三
「お山の大将」
作詞 西條八十/作曲 成田為三
「芒」
作詞 西條八十/作曲 成田為三
「花火」
作詞 西條八十/作曲 成田為三
「春の日」
作詞 西條八十/作曲 成田為三
「薔薇」
作詞 西條八十/作曲 成田為三
「紫陽花」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「気まぐれ時計」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「ジャンヌ・ダルク」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「象」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「つくしんぼ」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「なでしこ」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「のこり花火」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「星と苺」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「牧場の娘」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「雪の夜」
作詞 西條八十/作曲 本居長世
「お山の大将」
作詞 西條八十/作曲 草川信
「影法師」
作詞 西條八十/作曲 草川信
「風」
作詞 西條八十/作曲 草川信
「たんぽぽ」
作詞 西條八十/作曲 草川信
「燕と時計」
作詞 西條八十/作曲 草川信
「春の日」
作詞 西條八十/作曲 草川信
「お菓子の家」
作詞 西條八十/作曲 橋本国彦
「ゆく春」
作詞 西條八十/作曲 弘田龍太郎
「お母さん」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「浅草の唄」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「朝の海」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「あの尾根越えて」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「あの山この山」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「一寸法師」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「お品の歌」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「お団子ころがれ」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「おべんたうのお菜」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「おみやげ三ッ」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「おもちゃのお馬」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「狐の学校」
 作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「クリスマスの歌」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「恋の銀座」
 作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「恋のコーラス」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「ころがりお月さん」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「新宿模様」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「ジャンケンポン」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「ズイズイズッコロ橋」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「空の羊」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「月と海」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「東京音頭」
 作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「とんがりお山」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「動物園で」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「ニャンニャン猫の子」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「猫のお嫁入り」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「花咲く銀座」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「よいとまかせ」
作詞 西條八十/作曲 中山晋平
「来る来るサーカス」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「須磨小唄」
作詞 西條八十/作曲 佐々紅華
「椿姫の唄」
作詞 西條八十/作曲 江口夜詩
「東京ブルース」
作詞 西條八十/作曲 服部良一
「春は自動車にのって」
作詞 西條八十/作曲 古関裕而
「マダム・バタフライの唄」
作詞 西條八十/作曲 佐々紅華
「扇の舞」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「王将」
作詞 西條八十/作曲 船村徹
「お梅三味線」
作詞 西條八十/作曲 上原げんと
「お江戸八丁堀」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「お小姓すがた」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「お染久松」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「お山の大将」
作詞 西條八十/作曲 山田耕筰
「悲しき小鳩」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「悲しき瞳」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「菊五郎格子」
作詞 西條八十/作曲 米山正夫
「京の春雨」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「銀座音頭」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「芸道一代」
作詞 西條八十/作曲 山本丈晴
「恋の曽根崎」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「小夜姫旅姿」
作詞 西條八十/作曲 米山正夫
「それは内緒」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「旅の角兵衛獅子」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「旅の軽業娘」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「旅のサーカス」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「旅のチャリンコ娘」
作詞 西條八十/作曲 上原げんと
「涙の白桔梗」
作詞 西條八十/作曲 上原げんと
「初夢道中」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「花売馬車」
作詞 西條八十/作曲 古関裕而
「春よいづこ」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「ひよどり草紙」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「故郷の鐘」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「ふるさとの路」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「べらんめえ芸者」
作詞 西條八十/作曲 米山正夫
「みなしごの夢」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「娘船頭さん」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「山葡萄みのる頃」
作詞 西條八十/作曲 米山正夫
「遊侠街道」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「雪の丞変化」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「ら・あさくさ」
作詞 西條八十/作曲 上原げんと
「若い銀座」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「我が家の燈火」
作詞 西條八十/作曲 古関裕而
「乙女心の十三夜」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「想い出の花」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「風は海から」
作詞 西條八十/作曲 服部良一
「こけし娘」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「この世の花」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「さすらいの花」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「さすらいの浜辺」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「しのぶの旅唄」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「ただあなたゆえあなたゆえ」
 作詞 西條八十/作曲 万城目正
「浪速の雨」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「涙の白粉花」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「涙の舞扇」
作詞 西條八十/作曲 万城目正
「日本晴れだよ」
作詞 西條八十/作曲 上原げんと
「花の素顔」
作詞 西條八十/作曲 服部良一
「花嫁峠」
作詞 西條八十/作曲 船村徹
「ふるさとの花」
作詞 西條八十/作曲 古関裕而
「布良の娘」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「めんない化粧」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「山の煙よいつまでも」
作詞 西條八十/作曲 宮川まこと
「夢よもう一度」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「夜霧の馬車」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「りんどう峠」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「芸者ワルツ」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「三百六十五夜」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「蘇州夜曲」
作詞 西條八十/作曲 服部良一
「誰か故郷を想わざる」
作詞 西條八十/作曲 古賀政男
「お島千太郎旅唄」
作詞 西條八十/作曲 奥山貞吉
「小春月夜」
作詞 西條八十/作曲 船村徹


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