2015年4月27日月曜日

社会保障費

人口減少もあるので、抑制できるのでは?

[東京 27日 ロイター] - 財務省は27日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会に、今後5年間の社会保障関係費の伸びは制度改革や効率化によって「高齢化の伸び」の範囲内の年0.5兆円程度に抑制していく必要があると提案した。2020年度の社会保障関係費は35兆円━35.5兆円程度となり、15年度当初予算(31.5兆円)からの増額を3兆円後半から4兆円程度に抑制する。
政府が夏までに策定する20年度までの財政健全化計画では、国・地方を合わせた基礎的財政収支(PB)対象経費9.4兆円の圧縮が求められている。伸び抑制による削減額は現時点では不明で、財政健全化目標達成に向けた貢献度合いは不透明だが、財務省は20年度まで向こう5年間の大胆な制度改革の方向性を提示した。
最大のポイントは今後5年間の社会保障関係費の伸びを、「高齢化による伸び」(2兆円強─2.5兆円)相当の範囲内にとどめる必要があるとの大枠を示したこと。
社会保障関係費は高齢化に伴い毎年1兆円拡大すると言われてきたが、安倍政権下での予算編成となった過去3年間の社会保障の伸びは1.5兆円と、経済雇用情勢の改善や制度改革の効果によって高齢化による伸びの範囲内となっている。実績を踏まえ、引き続き、今後5年間の伸びを年0.5兆円程度の範囲内とする必要があるとした。
そのうえで、具体的な改革のメニューを提示。夏の財政健全化計画に、社会保障関係費の伸びに対する考え方、制度改革の柱などを盛り込むことを求め、「年末に具体的な改革・効率化などの工程表を策定する」ことで改革の道筋をつける方向性をにじませた。
具体策では、後発医薬品(ジェネリック)の使用割合を現行の「18年度60%」から「17年度内に80%」とする新目標を設定。14年9月時点の使用割合は財務省推計によると約55%まで加速している。目標の切り替えは今夏とし、企業の生産体制の切り替え時期に間に合わせることが重要と提案した。
また、湿布薬など市販品として十分定着した市販品類似薬の保険給付対象からの除外や、医療機関での受診時に窓口負担とは別に少額の定額を支払う仕組みの導入など、保険給付の範囲を見直し、公的保険給付の範囲を重点化する必要があるとしている。

このほか、高額療養費制度で高齢者にも所得に応じた負担の見直しを具体的に提言したほか、年金では「団塊ジュニア」世代が65歳になる2035年ごろまでに支給開始年齢をさらに引き上げることが必要とした。   続く...

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