2015年5月27日水曜日

M&Aと経営情報

中国企業の経営情報は詐欺情報の可能性がある?

コーポレートガバナンスの問題? 企業倫理の問題? コンプライアンスの問題?



Quentin Webb
[香港 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 海外で怒涛のように企業合併・買収(M&A)を進めてきた「日本株式会社」の前に、中国という壁が立ちはだかった。
LIXIL(リクシル)グループ(5938.T: 株価,ニュースレポート)にとって、傘下のドイツの水栓金具製造会社ジョウユウ(JY8G.DE: 株価,企業情報レポート)が破産手続きに入ったことは対処可能な出来事だろうが、破産をめぐる怪しいエピソードは面目を失わせるものだ。同じことはジョウユウが上場しているドイツにも当てはまる。
日本企業は借り入れコストの低さと国内市場の縮小を背景に、海外でM&Aを積極化してきた。米ゼネラル・エレクトリック(GE)でM&Aの腕を磨いたリクシルの藤森義明社長は、大胆な買収を進めてきた第一人者の一人だ。
藤森氏は2013年、政策投資銀行の支援を得てドイツ水栓金具大手「グローエ」を40億ドルで買収した。グローエがその2年前に取得していたジョウユウの過半数株式を通じ、中国の経済成長を取り込めることが重要な魅力だった。
これが裏目に出た。リクシルは先月、ジョウユウを経営するCai一族からグローエ株12.5%を買い取り、両社への締め付けを強めた。しかしここにきて、ジョウユウの昨年の売上高や債務、キャッシュが怪しい数字だったのではないかとの疑いが浮上した。同社は香港事業の完全償却に踏み切っており、創設者のCai Jianshe氏とその息子を訴える可能性がある。ジョウユウは5月21日、破産手続きの申し立てを決めたと発表した。
子会社のそのまた子会社が破綻したからといって、リクシルの存続が脅かされるわけではないが、金銭的な影響は甚大だ。ジョウユウの株式と債務保証に絡んで予想される損失410億円(3億3700万ドル)は、リクシルの2014年3月期の純利益にほぼ匹敵する。投資家にも損害が及んだ。3月31日以来、日本の工業セクター株が7%上昇したのに対し、リクシル株は18%下がった。

ドイツ上場の中国企業では不祥事が相次いでおり、ジョウユウは最新の事例となった。フランクフルトの監督当局、法律専門家、会計士、バンカーらは中国企業家の関わる事業に不審な点がないか、もっと神経を尖らす必要がある。   続く...

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