2015年7月1日水曜日

ドラマ

ドラマですか・・・

自分の人生がドラマチックなので、笑い

人生は舞台、人はみな役者・・・


 旅への誘いざないが、次第に私の空想ロマンから消えて行った。昔はただそれの表象、汽車や、汽船や、見知らぬ他国の町々やを、イメージするだけでも心が躍おどった。しかるに過去の経験は、旅が単なる「同一空間における同一事物の移動」にすぎないことを教えてくれた。何処どこへ行って見ても、同じような人間ばかり住んでおり、同じような村や町やで、同じような単調な生活を繰り返している。田舎いなかのどこの小さな町でも、商人は店先で算盤そろばんを弾はじきながら、終日白っぽい往来を見て暮しているし、官吏は役所の中で煙草タバコを吸い、昼飯の菜のことなど考えながら、来る日も来る日も同じように、味気ない単調な日を暮しながら、次第に年老いて行く人生を眺ながめている。旅への誘いは、私の疲労した心の影に、とある空地あきちに生はえた青桐あおぎりみたいな、無限の退屈した風景を映像させ、どこでも同一性の法則が反覆している、人間生活への味気ない嫌厭けんえんを感じさせるばかりになった。私はもはや、どんな旅にも興味とロマンスをなくしてしまった。
萩原朔太郎の猫町は、オチがある・・・

そしてこの魔法のような不思議の変化は、単に私が道に迷って、方位を錯覚したことにだけ原因している。いつも町の南はずれにあるポストが、反対の入口である北に見えた。いつもは左側にある街路の町家が、逆に右側の方へ移ってしまった。そしてただこの変化が、すべての町を珍しく新しい物に見せたのだった。
 その時私は、未知の錯覚した町の中で、或る商店の看板を眺めていた。その全く同じ看板の絵を、かつて何所かで見たことがあると思った。そして記憶が回復された一瞬時に、すべての方角が逆転した。すぐ今まで、左側にあった往来が右側になり、北に向って歩いた自分が、南に向って歩いていることを発見した。その瞬間、磁石の針がくるりと廻って、東西南北の空間地位が、すっかり逆に変ってしまった。同時に、すべての宇宙が変化し、現象する町の情趣が、全く別の物になってしまった。つまり前に見た不思議の町は、磁石を反対に裏返した、宇宙の逆空間に実在したのであった。


植物男子ベランダー SEASON2 第7話「バンマツリ1号2号」
[BSプレミアム]7月2日(木) 午後11:15~11:45

男(田口トモロヲ)はベランダに、ニオイバンマツリの花がふたつあることに気付いた。なぜ? 記憶を逆回転してみると、隣人田中(古舘寛治)にあおられてタチアオイを買った記憶がよみがえってきた。タチアオイに一瞬夢中になったがために、男はニオイバンマツリの世話をおろそかにしたのだった。そして男は「なじみの花屋」ではない、別の花屋に行くのだが、そこの美しい店員が…。

【出演】田口トモロヲ,岡本あずさ,安藤玉恵,小林竜樹,古舘寛治,太賀,中村映里子,片岡礼子
【語り】松尾スズキ
【原作】いとうせいこう

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植物男子 ベランダー SEASON2
[BSプレミアム]木曜 午後11:15~11:45

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