2021年9月21日火曜日

都道府県地価調査

札幌、仙台、福岡などは上昇率が大きいようです。


福岡市の商業地、上昇率トップ 基準地価、全国平均は2年連続下落
2021/9/22 6:00

 国土交通省が21日発表した7月1日時点の基準地価によると、全国の全用途平均は前年比マイナス0・4%で、2年連続の下落となった。新型コロナウイルス禍による経済活動の停滞で商業地の下落が目立った。ただ、コロナの影響は地域差があり、再開発への期待や住宅需要が根強い福岡、札幌、仙台、広島の地方主要4市や東京圏、名古屋圏は商業地、住宅地いずれも上昇する一方、大阪圏や他の地方は軒並み下落した。

【関連】コロナ禍の「夜の街」地価急降下 上昇の福岡市で中洲だけダウン

 商業地は、訪日外国人客(インバウンド)の消失や営業時間短縮によってホテルや飲食店の需要減が続いていることから、全国平均で0・5%下落。前年より下落率が拡大した。

 住宅地は、全国平均で0・5%下落したものの、前年と比べ下落率は0・2ポイント縮小した。住宅を買い控える動きが一段落し、都市部の利便性の高い地域で需要が堅調に推移している。

 地域別に見ると、福岡市など地方主要4市の上昇が顕著だ。住宅地は4・2%、商業地は4・6%上昇。福岡市の再開発事業「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」を含む各地の再開発への期待感が地価上昇につながっているとみられる。再開発エリアに近接する福岡市博多区綱場町の商業地は、全国の商業地でトップの上昇率だった。

 一方、主要4市を除く地方圏は商業地でマイナス1・0%、住宅地でマイナス0・8%と下落が継続した。三大都市圏は商業地がプラス0・1%で、住宅地は横ばい。インバウンドの影響が大きかった大阪圏はいずれも下落した。

 都道府県別では、商業地は41都道府県、住宅地は38府県が下落。商業地、住宅地ともに上昇したのは福岡、宮城、愛知、沖縄の4県のみ。福岡の全用途平均の上昇率は全国1位だった。

 地点別の最高価格は16年連続で東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」。1平方メートル当たり3950万円で、2年連続で価格が下がった。地点別で最も下落率が大きかったのは、商業地が大阪市中央区宗右衛門町の18・5%。住宅地は昨年7月に豪雨被害に遭った熊本県球磨村の19・2%だった。 (御厨尚陽)


全国全用途平均で2年連続下落も下落率は縮小
~令和3年都道府県地価調査~
令和3年都道府県地価調査では、全国全用途平均は2年連続の下落となったが、下落率は縮小した。用途別では、住宅地は下落率が縮小し、商業地は下落率が拡大した。
○ 令和3年都道府県地価調査は、全国約21,400地点を対象に実施され、令和3年7月1日時点の1年間の地価動向として、次のような結果が得られました。
【全 国 平 均】 全用途平均は2年連続の下落となったが、下落率は縮小した。用途別では、住宅地は下落率が縮小し、商業地は下落率が拡大した。
【三大都市圏】 住宅地は東京圏、名古屋圏で下落から上昇に転じ、大阪圏は下落率が縮小した。
商業地は東京圏で上昇率が縮小し、大阪圏は9年ぶりに下落に転じ、名古屋圏は下落から上昇に転じた。
【地 方 圏】 全用途平均は下落が継続しているが下落率が縮小し、用途別では、住宅地は下落率が縮小し、商業地は下落率が拡大した。
○ 全国の地価動向は、新型コロナウイルス感染症の影響等により下落が継続したが、住宅地は下落率が縮小し、商業地は下落率が拡大した。
・ 結果の詳細は、土地・不動産・建設業トップページから、「都道府県地価調査」のページを御覧ください。


地価調査にコロナの影響… 暮らしの変化で見えてきたこと
2021年9月21日 17時52分 

全国の土地の価格を調べた「都道府県地価調査」が公表され、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、全国平均の地価は商業地、住宅地ともに下落が続く結果となりました。

ただ、下落幅は「商業地で拡大」する一方「住宅地では縮小」しています。背景には、コロナ禍での新たな働き方やライフスタイルの変化がありました。

全国平均 去年比マイナス0.4% 2年連続の下落
「都道府県地価調査」は毎年7月1日時点の全国の土地の価格を都道府県が調べるもので、国土交通省はことし対象となった2万1400余りの地点の結果をまとめ21日、公表しました。

それによりますと、全体の地価の全国平均は去年に比べてマイナス0.4%と、2年連続の下落となりました。新型コロナウイルスの影響が長期化する中、全国的に土地の需要が低迷していることが要因です。

<商業地>下落幅 去年から「拡大」

用途別では、店舗やオフィス向けなどの「商業地」の全国平均がマイナス0.5%と2年連続の下落となり、その幅は去年のマイナス0.3%から拡大しました。

背景1. “新しい働き方”
背景には、在宅勤務など新しい働き方の広がりがあります。出社する社員が減ったことでオフィスの在り方を見直す企業が相次いでいるのです。

富士通・ヤフー“オフィス縮小へ”

このうち「富士通」は製造現場を除いて社員はリモートワークを基本とし、2年後にはオフィスの面積を今の半分に減らす計画です。

IT大手の「ヤフー」も、本社をはじめとする都内のオフィスを大幅に縮小する方向で検討しているということです。

ベンチャー企業も“オフィス縮小”

オフィス縮小の動きはベンチャー企業でも加速しています。障害者と企業をつないで雇用を後押しする都内の人材サービス会社もその一つです。

背景2. “国内外から旅行客減少”

一方、国内外からの旅行客が減少している影響で、観光地や繁華街では全国的に地価の下落が目立っています。大阪の道頓堀地区にある大阪市中央区宗右衛門町はマイナス18.5%と、全国の商業地で最も落ち込みが大きくなりました。

大阪 たこ焼きチェーン店 地元住民向けの新商品販売

地区の一角にあるたこ焼きチェーン店は、外はカリッと、中はとろとろに焼き上げた商品が自慢で、新型コロナの感染拡大前は多くの観光客が訪れていたといいます。特に外国人旅行者の人気が高く売り上げのおよそ7割を占めていたということですが、今はその分の売り上げをほぼすべて失いました。

<住宅地>下落幅 去年から「縮小」

一方の「住宅地」。
全国平均はマイナス0.5%と30年連続の下落だったものの、その幅は商業地とは対照的に去年のマイナス0.7%から縮小しました。

背景1. 家の中で過ごす時間増え 自宅購入のニーズ高まる
▽在宅勤務の広がりや
▽外出の自粛などによって
家の中で過ごす時間が増えていることを背景に自宅を購入するニーズが高まっているということで、今回の地価調査からは住宅需要が一部で持ち直しつつあることもうかがえます。こうした中、注目を集めているのが「空き家」です。

横浜市の会社員、椎名高文さん(40)と妻の由布子さん(36)は去年8月、当時住んでいた賃貸住宅の近くにあった築40年以上の空き家を購入しました。椎名さんの働き方がほぼ毎日、在宅勤務に変わり、そのためのスペースが必要になったのがきっかけでした。

新築の物件も検討しましたが、3人の子育てにかかる費用も含めると住宅の負担が重くなりすぎると考え、空き家を全面的にリフォームする方法を選んだのです。

専門家「商業地 需要の弱い状況続く可能性」

不動産調査会社「東京カンテイ」 井出武 上席主任研究員
▽住宅地の下落幅が縮小したことについて
「新型コロナの感染者が増えてまず起きたのが『巣ごもり』で、自分の生活の中心地である家を重視する考え方が以前よりもさらに強まった。利便性が高く生活の質を維持しながら巣ごもりできる場所はどこか、多くの人が考えた結果が地価の戻りという形であらわれたのではないか」

▽商業地について
「これまで割と需要が底堅かったオフィスに関しても『そんなに広い面積が必要なのか』と今まさに検討されている最中だ。先行きの不透明感がなくならないかぎり需要の弱い状況が続く可能性がある」

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