2023年1月18日水曜日

歌会始@2023

皇居で「歌会始の儀」 天皇・皇后両陛下ら「友」の題で詠む
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 新春恒例の皇室行事「歌会始の儀」が18日、皇居・宮殿「松の間」で行われた。今年の題は「友」で、天皇、皇后両陛下や皇族方の歌と、1万5005首の応募作から選ばれた10人の入選者らの歌が伝統的な発声と節回しで披露された。両陛下の長女愛子さまは学業の都合で出席を見送った。

 天皇陛下は、3年連続で新型コロナウイルス感染症に触れた。コロナ禍でも創意工夫をこらし、友達と一緒に楽器を演奏する喜びを語る高校生たちの姿をうれしく思うとともに、日常の生活が戻ることを願う気持ちを込めた。

 側近は「陛下も友人と一緒に演奏した経験をお持ちなので、その喜びを身近に感じられたのではないか」と話した。

 昨年12月の59歳の誕生日に合わせ、人生の半分を皇室で過ごしたことへの感慨を文書につづった皇后雅子さまは、これまでの日々を温かく見守ってきた友人たちへの感謝の気持ちを詠んだ。

 秋篠宮さまはいろいろな場所を訪ねて回った思い出をテーマにした。質問を重ね、地元の人たちから得られる答えに感じた新鮮さや心弾むような気持ちを表現した。秋篠宮妃紀子さまは、感染症対策を講じながら久しぶりに友人たちと語り合うことができたことへの感謝を詠んだ。

 両陛下の長女愛子さまは、モミジの葉に覆われた庭を散歩した際、かつてモミジを踏みしめながら一緒に歩いた友人を懐かしく思う気持ちを歌に込めた。秋篠宮家の次女佳子さまは、学習院女子高等科の卒業式で友人2人と撮った写真の裏に書かれたメッセージを歌にした。

 歌会始の儀は、昨年に引き続き新型コロナの感染防止対策を講じて行われた。換気や手指消毒のほか、歌の読み上げ役はマスクを着用。発声者は向き合わないように座り、前方にアクリル板が設置された。招待者は昨年より増加したものの、コロナ以前からは大幅に絞り込まれた。【井川加菜美】

天皇陛下
 コロナ禍に友と楽器を奏でうる喜び語る生徒らの笑み

皇后雅子さま
 皇室に君と歩みし半生を見守りくれし親しき友ら

秋篠宮さま
 彼方此方(をちこち)を友らと共に行巡(ゆきめぐ)り聞き初(そ)めしことに喜びありぬ

秋篠宮妃紀子さま
 春楡(はるにれ)の卓の木目を囲みつつ友らと語る旅の思ひ出

天皇、皇后両陛下の長女愛子さま
 もみぢ葉の散り敷く道を歩みきて浮かぶ横顔友との家路

秋篠宮家の次女佳子さま
 卒業式に友と撮りたる記念写真裏に書かれし想ひは今に

常陸宮妃華子さま
 友よりの封書に貼られし海外の風土の切手をルーペに見入る

寛仁親王妃信子さま
 老犬を悼(いた)む思ひが友からの賜(た)びし子犬の声(こゑ)に救はる

三笠宮家の彬子さま
 器からこぼれてしまつた言の葉を静かにつむぐ友の横顔

高円宮妃久子さま
 紅葉(もみぢ)する木より聞こゆる鳥のこゑ黒姫の森を友と歩めば

高円宮家の長女承子さま
 厳かに巫女の舞ひたる倭舞ひ外つ国の友と我ながめをり

入選者(年齢順)
 岡山県 藤井正子さん(73)

 温もりの残る手袋渡されて君は友より夫(をつと)となりぬ

 熊本県 三浦清美さん(63)

 卒論は梶井だつたね君だけが四十二歳(しじふにさい)のままなる友よ

 東京都 久和鏡子さん(62)

 キスゲ咲く尾瀬の木道友の背のリズムで歩くすこし離れて

 新潟県 相川澄子さん(61)

 友だちはゐないんだよと言ふ君の瞳の中にわたしを探す

 神奈川県 岩田真治さん(55)

 つくるでもできるでもなくそこにゐたあなたをわたしは友とよんでる

 茨城県 芳山三喜雄さん(50)

 ともだちを友人と呼ぶやうになり子は就活をほどなく終へる

 島根県 㯃松友香さん(40)

 「母さんも友だちできた?」と小一の吾子(あこ)に問はれし仕事の初日

 京都府 丹羽紗矢香さん(36)

 友といふ言葉を知らぬ一歳が泣いてゐる子の頭を撫(な)でる

 東京都 吉田直子さん(26)

 みづいろの絵の具ばかりを借りにきた友の見てゐた空を知りたい

 山梨県 小宮山碧生さん(14)

 友の呼ぶ僕のあだ名はわるくない他のやつには呼ばせないけど

召人
 小島ゆかりさん

 旧友のごとくなつかしあかねさす夕陽の丘に犬とゐる人

選者
 三枝昂之さん

 月蝕ののちの望月くまもなき地上にわれが友垣がゐる

 永田和宏さん

 悪友と呼びたき友のいくたりを思ひ浮かべてゐる月の食

 今野寿美さん

 「みづの上」につらつらしるす一葉の友といへるもなくとぞあるを

 内藤明さん

 海越えて柔らかき声まだ逢はぬ友といつしか卓を囲まむ

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