2015年9月19日土曜日

道理@紅楼夢

どう‐り〔ダウ‐〕【道理】

[名・形動]
1 物事の正しいすじみち。また、人として行うべき正しい道。ことわり。「―をわきまえる」「―に外れた行為」
2 すじが通っていること。正論であること。また、そのさま。「言われてみれば―な話」




Li


中国哲学用語。物の真実な存在を規定する唯一性をいう。古代には人の性や絶対普遍の道に対し,個々の物の真実を規定するものをいったが,次第にすべての物の実在を規定する普遍的理が考えられ,12世紀頃から,いわゆる理気二元論の立場の朱子学では,性は形而上的本質であって,普遍的であるとともに形而下の個物の実在を規定するとし,また存在論的な「所以然〈しかるゆえん〉の故」と実践的な「所当然〈まさにしかるべきところ〉の理」とを説く。

りきにげんろん【理気二元論】

程頤(ていい)の説を受け継いで朱熹(しゆき)が大成した宋学の形而上学的原理。物質を形成する素材およびその運動を気ととらえ,気を統制する原理であり,その運動に内在して全存在を貫く根拠となり,人間にあっては道徳原理となるものを理として,理気二元により存在の構造を解明する。

形而上
けいじじょう
Xing-er-shang

形而下に対する語で,道の形容。『易経』繋辞伝に「形而上なるもの,之を道と謂ひ,形而下なるもの,之を器と謂ふ」とある。『易経』での原義は具体的な形をこえたものということであったが,のちにさまざまな意味が付加された。

けいじ‐か【形×而下】

《「易経」繋辞上から》
 形を備えたもの。物質的なもの。
 哲学で、感性を介した経験によって認識できるもの。時間・空間を基礎的形式とする現象的世界に形をとって存在するもの。⇔形而上

えききょう〔エキキヤウ〕【易経】

五経(ごきょう)の一。伏羲(ふっき)氏が初めて八卦(はっけ)を作り、孔子集大成したといわれるが未詳。天文・地理・人事・物象を陰陽変化の原理によって説いた書で、元来、占いに用いられた。六十四卦(け)およびそれぞれ爻(こう)につけられた占いの文章(経)と、易全体および各卦について哲学的に解説した文章(伝もしくは十翼という)とから成る。周代に流行したところから周易ともいう。易。

ご‐きょう〔‐キヤウ〕【五経】

儒教の経典として最も尊重される五つの経書。「易経」「詩経」「書経」「礼記(らいき)」「春秋」。→四書

し‐しょ【四書】

大学」「中庸」「論語」「孟子」の4部の書。五経と並んで儒学の基本となる書。

だいがく【大学】[書名]

中国、戦国時代の思想書。1巻。著者・成立年未詳。もと「礼記(らいき)」の中の一編であったが、宋の司馬光抜き出して「大学広義」1巻を作り、のち、程顥(ていこう)程頤(ていい)が定本を、1189年に朱熹(しゅき)が「大学章句」を作って、四書の一とした。治者の倫理・道徳に関する三綱領・八条目を立て、儒教の学問の階梯(かいてい)を説いたもの。
[補説]三綱領は治者の目標となる明明徳・止至善・新民の三つ。八条目は三綱領を実現するための修養で、格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下の八つ。

ちゅうよう【中庸】[書名]

中国、戦国時代の思想書。1巻。子思の著と伝えられる。「礼記(らいき)」中の一編であったが、朱熹(しゅき)が「中庸章句」を作ったことから、四書の一として儒教の根本書となった。天人合一の真理を説き、中庸の誠の域に達する修養法を述べる。

ちゅう‐よう【中庸】

[名・形動]
 かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。「―を得た意見」「―な(の)精神」
 アリストテレスの倫理学で、徳の中心になる概念。過大と過小の両極端を悪徳とし、徳は正しい中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとした。

ろんご【論語】

中国の思想書。20編。孔子没後、門人による孔子の言行記録を、儒家の一派が編集したもの。四書の一。処世の道理、国家・社会的倫理に関する教訓、政治論、門人の孔子観など多方面にわたる。日本には応神天皇の時代に百済(くだら)を経由して伝来したといわれる。

もうし〔マウシ〕【孟子】

[前372ころ~前289]中国、戦国時代の思想家。鄒(すう)(山東省)の人。名は軻(か)。字(あざな)は子輿(しよ)。仁義王道による政治を説き、自ら孔子の継承者をもって任じ、性善説易姓革命説を唱えた。後世、「亜聖(あせい)」と称される。
の言行や思想を記した書。7編。後漢の趙岐(ちょうき)が各編を上下に分けて注を加え、14巻とした。宋代以降経書に数えられ、朱熹(しゅき)の「孟子集注」により四書一つとして重んじられた。

しきょう〔シキヤウ〕【詩経】

中国最古の詩集。五経の一。孔子編といわれるが未詳。周の初めから春秋時代までの詩305編を国風・雅・頌(しょう)の3部門に大別。国風は諸国の民謡で15の風、雅は朝廷の音楽で小雅・大雅の二つ、頌は宗廟(そうびょう)の祭祀(さいし)の音楽で周頌・魯頌・商頌の三つがある。漢の毛亨(もうこう)らが伝えたものだけが現存するので「毛詩」ともいう。

しょきょう〔シヨキヤウ〕【書経】

中国の経書五経の一。20巻、58編。孔子の編といわれる。尭(ぎょう)舜(しゅん)から周までの政論・政教を集めたもの。もと「書」「尚書」。宋代から「書経」とよばれる。秦の焚書(ふんしょ)で散逸、前漢の伏生(ふくしょう)の口伝「今文(きんぶん)尚書」と、孔子の旧宅で壁中から発見された「古文尚書」との二系統があったが、現在「古文」とされている「書経」は東晋の梅賾(ばいさく)の偽作。

らいき【礼記】

中国、前漢時代の経書五経の一。49編。「儀礼(ぎらい)」の注釈および政治・学術・習俗など礼制に関する、戦国時代から秦・漢時代の説を集録したもの。今の「礼記」は戴聖(たいせい)戴徳(たいとく)の「大戴礼」を削って編集した「小戴礼」をさす。「大学」「中庸」はその一部。三礼(さんらい)の一。

しゅんじゅう【春秋】[書名]

中国、春秋時代の歴史書。五経の一。魯(ろ)(山東省)の史官の遺した記録に孔子が加筆し、自らの思想を託したといわれる。魯の隠公元年(前722)から哀公14年(前481)までの12公、242年間の編年体の記録。のちに、孔子が加筆した意図を解釈し、あるいはその記事を補うために公羊伝穀梁伝左氏伝春秋三伝が作られた。
春秋時代」の略。

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