2017年1月12日木曜日

WEF報告書

この報告書は注目です。


今後10年の世界、不平等拡大と二極化が主要リスクに-WEF報告書
Alex Morales

金融危機後の弱い経済成長が貧富の格差を拡大と指摘
量的緩和策は金融資産保有者に有利、所得格差を悪化させた

英国の欧州連合(EU)離脱や米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏勝利をもたらした不平等拡大や社会の二極化が、今後10年の世界的な動きを形成しようとしている。世界経済フォーラム(WEF)が11日、こうした年次リスク報告書を発表した。
  WEFがブルームバーグ・エル・ピーの欧州本部(ロンドン)でのイベントで公表したグローバルリスク評価報告書は、気候変動も大きな世界的トレンドとして取り上げた。「今後10年のさらなる困難と不安定」を回避するため世界のリーダーは協力する必要があると呼び掛けた。
  WEFを設立したクラウス・シュワブ氏は報告書の序文で、「継続的な低成長に加え、高水準の債務と人口動態の変化が金融危機や不平等拡大を促す環境をつくり出している」と指摘。金融危機後の弱い経済成長が貧富の格差を拡大させ、ポピュリズム(大衆主義)に訴える政党の台頭につながった「経済的な停滞」感を強めたと報告書は分析している。
  欧米の民主主義社会において最も顕著な反体制的な動きが英国のEU離脱選択とトランプ氏当選で見られたが、そうした流れは一段と広がり、ドイツやイタリア、フランス、オランダなどで極右政党への支持が拡大している。
  報告書の調査には、デフレや資産バブル、異常気象、テロ攻撃、食料危機、サイバー攻撃といった30の世界的リスクを分析する専門家750人が関わった。
  報告書はスイスのダボスで17日に始まるWEF年次総会、いわゆるダボス会議で議論される予定で、世界の出来事を決めていく最も重要な基調的トレンドは所得格差の拡大だと指摘。世界の主要中央銀行が実施した量的緩和策については、金融資産保有者へのリターンを増加させ、所得格差を悪化させたと結論付けた。
原題:From Brexit to Trump, Polarization Poses Global Risk, WEF Says(抜粋)


注目の報告書です。観たほうが良いと思う。

SustainableJapan
 【国際】世界経済フォーラム、グローバルリスク報告書2017年度版を公表


今回の報告書で最も発生可能性が高いとされたリスク

異常気象
大規模な非自発的移民
大規模な自然災害
大規模なテロ攻撃
大規模なデータ詐欺・データ盗難


今回の報告書で最も負のインパクトが大きいとされたリスク

大量破壊兵器
異常気象
水の危機
大規模な自然災害
気候変動緩和・適応の失敗


 発生可能性に関するランキングでは、昨年1位であった「大規模な非自発的移民」は2位に後退し、昨年2位であった「異常気象」が1位となった。異常気象とともに気候変動に関係する「大規模な自然災害」も昨年の5位から3位に上がった。また、「異常気象」と「大規模な自然災害」は負のインパクトランキングでも上位につけ、ここでも気候変動の影響が強く懸念されていることが伺える。一方、新たに「大規模なデータ詐欺・データ盗難」がトップ5入りし、IT社会でのデータプライバシーや企業機密に関するリスクが高まっているという認識となった。

 また、「大規模なテロ攻撃」が発生可能性ランキングで初めてトップ5入りし、「大量破壊兵器」が負のインパクトランキングで昨年2位から1位に浮上するなど、戦争・紛争リスクが専門家の間で強く意識され始めていることを示す結果となった。

 一方、昨年の報告書から開始されたリスク間の相互連関性について尋ねたところ、今後世界の発展について重要となるテーマとして、所得向上と貧富の格差(1位)、気候変動(2位)、社会の両極化(3位)、サイバーへの依存(4位)、高齢化社会(5位)が挙げられ、「所得向上と貧富の格差」という経済観点が最上位となった。また、相互連関性がとても強いとされるリスクについては、1位「失業・過少雇用と基礎的な社会不安定」、2位「大規模な非自発的移民と国家の崩壊・危機」、3位「気候変動緩和・適応の失敗と水の危機」、4位「自然ガバナンスの失敗と基礎的な社会不安定」、5位「大規模な非自発的移民と地域的事情による国家間紛争」の順となった。

 2010年まではグローバルリスクの中でも経済や金融リスクが上位をほぼ独占していたが、2011年以降はそれにもまして環境リスクや社会リスクが上位を占めるようになってきた。とりわけ、今回の報告書の中には、2016年に発生した英国EU離脱(ブレグジット)や米トランプ大統領候補勝利などの選挙についても多く触れられており、以前から認識されていた気候変動や水の問題など環境リスクに加え、経済リスクや社会不安がますます高まっていることを感じさせる結果となった。

【報告書】The Global Risks Report 2017

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