LAI(持続性注射剤)とは
筋肉注射による統合失調症の治療薬です。 LAIは筋肉内に注射した後、体の中に薬がとどまり長く効果を発揮します。 したがってお薬によって異なりますが、2週間または4週間ごとに受診して注射をすることで、毎日お薬をきちんと飲み続けるのと同じ治療効果が期待できます。
LAIは持続性注射剤と呼ばれる統合失調症の治療薬。いままでの経口剤と違い、月に1~2回打つだけでよいので、薬の飲み忘れの心配がなく、再発や症状の悪化の心配も軽減。生活の質の向上が期待できます。
良い点(メリット)
薬の飲み忘れがない!
統合失調症の治療は、処方された治療薬を決まった時間に忘れずに飲み続けることが重要です。しかし、LAIに切り替えれば、自分で薬を飲む必要がなくなるため、飲み忘れがなくなります。
再発や悪化の心配が減る!
再発や症状の悪化の原因のひとつが、飲み忘れや自己判断による薬の中断です。LAIに切り替えれば、飲み忘れが防げるため、再発・悪化の心配が軽減します。
わずらわしさから解放!
毎日何回も薬を飲むわずらわしさだけでなく、周囲の人から「薬は飲んだの?」と度々確認されるわずらわしさやストレスからも解放されます。
生活の質が向上する!
常に薬を飲むことを気にしていた生活から、薬を飲む必要のない生活に変化することで、学校や職場、または旅先などでも安心して活動ができるようになります。
良くない点(デメリット)
月1~2回の通院
LAIの効果は2~4週間。よって月に1回から2回、薬の効果が切れないように必ず通院してLAIを打つ必要があります。
注射の痛みがある
個人差はありますが、LAIは筋肉内注射なので多少の痛みがあります。
公開日:
2020/04/21
(報道向け参考資料)
ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下「ヤンセン」)はこのほど、パリペリドンパルミチン酸エステル月1回注射剤(PP1M)の2年間の市販後調査の結果として、統合失調症患者を対象にしたPP1Mの治療により、就業状況及び社会機能が治療開始時と比較して有意な改善を示したことを発表しました。なお、この結果は「Innovations in Clinical Neuroscience」のオンライン版で公表されています。
統合失調症の治療ゴールとしては、患者さんのリカバリー、特に社会復帰が上げられますが、抗精神病薬の効果は主に比較的短期間の症状改善をもとに評価されることが多く、就業状況改善への寄与についての報告はほとんどありません。本調査では1,319例のPP1Mを投与された統合失調症患者を対象に実臨床下におけるPP1Mの安全性、有効性評価とともに就業状況、社会機能の変化も評価しました。
その結果、何らかの形で就業している患者さんの割合は治療開始時には24.3%でしたが、1年後には32.5%、2年後には34.6%と統計学的に有意な増加を示しました。また、仕事を求めている患者さんを含めると、その割合は治療開始時には27.9%、1年後には37%、2年後には39.3%と有意な増加を示しました。また、SOFAS(Social and Occupational. Functioning Assessment Scale)で評価した社会機能も2年間の観察期間に有意な改善を示しました。有害事象は、29.26%の患者で認められましたが,既知の安全性プロファイルと概ね一致するものでした。
パリペリドンパルミチン酸エステルについて
国内では、2013年11月より「ゼプリオン®水懸筋注シリンジ(以下、ゼプリオン®)」として発売されています。パリペリドンパルミチン酸エステルの水性懸濁液であり、筋肉内に投与することにより投与部位で徐々に溶解し、加水分解され、活性本体であるパリペリドンとなり吸収されます。ゼプリオン®は、4週に1回、三角筋または臀部筋内に投与する持効性注射剤の統合失調症治療薬です。
※ゼプリオンの用法及び用量:
通常、成人にはパリペリドンとして初回150mg、1週後に2回目100mgを三角筋内に投与する。その後は4週に1回、パリペリドンとして75mgを三角筋又は臀部筋内に投与する。なお、患者の症状及び忍容性に応じて、パリペリドンとして25mgから150mgの範囲で適宜増減するが、増量は1回あたりパリペリドンとして50mgを超えないこと。
統合失調症について
統合失調症治療においては、再発を繰り返すことにより徐々に社会生活機能が低下して、完全な機能改善が困難になるなどの再発・再燃に関する種々の問題が挙げられており、これらの問題を解決し治療を成功させるためにはアドヒアランスが重要で特に薬物療法に対するアドヒアランスの向上が重要な課題として考えられています1。一方で、抗精神病薬の持効性注射剤は、統合失調症治療において重要なアドヒアランス向上に有用であり2、統合失調症患者における再発リスクを低減させることが示唆されています3。
市販後調査について
国内での本剤の発売後、実臨床下での本剤の使用に関する安全性の評価を含む市販後調査を実施しました。24ヶ月の追跡期間において合計1,319人が登録され、そのうち1,306人が安全性について評価可能であり、1,279人が有効性について評価可能でした。24ヵ月間の観測期間を満了した患者さんは49.4%でした。
ヤンセンについて
ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。
Janssenという社名は、J&Jグループの最も古い医薬品カンパニーのひとつを創設したポール・ヤンセン博士(1926年-2003年)の名前に由来しています。
英語から翻訳-Paul Adriaan Jan、BaronJanssenはベルギーの医師でした。彼は、現在Johnson&Johnsonの子会社である20,000人以上の従業員を抱える製薬会社であるJanssenPharmaceuticaの創設者でした。 ウィキペディア(英語)
原文を見る
生年月日: 1926年9月12日
出生地: ベルギー トゥルンホウト
死亡日: 2003年11月11日, イタリア ローマ
受賞歴: ガードナー国際賞
両親: コンスタント・ジャンセン、 Margriet Fleerackers
書籍: Synthetic Analgesics: Diphenylpropylamines、 The Action of Neuroleptic Drugs
学歴: ケルン大学、 ゲント大学、 ナミュール大学、 Universitair Sportcentrum KU Leuven、 St Joseph College, Turnhout
ヤンセン ファーマ は、ベルギーに本部を置くジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品部門。日本法人として「ヤンセンファーマ株式会社」を設立している。 ウィキペディア
資本金: 20億円(2020年12月31日現在)
本社所在地: 日本; 〒101-0065; 東京都千代田区西神田3丁目5番2号
主要株主: ジョンソン・エンド・ジョンソン 100%
代表者: 關口修平(代表取締役社長)
事業内容: 医薬品製造・開発
従業員数: 約2,400名(2021年1月1日現在)
設立: 1978年4月
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