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2017年1月13日金曜日

歌会始

皇居で新春恒例の歌会始
1月13日 12時17分


新春恒例の「歌会始」が、13日、皇居で行われました。

ことしの「歌会始」のお題は「野」で、全国と海外から合わせて2万首余りの短歌が寄せられました。

皇居・宮殿の「松の間」では、はじめに、入選した10人の歌が天皇皇后両陛下や皇族方の前で古式にのっとって披露されました。

このうち、東京・板橋区の高校2年生、鴨下彩さん(17)は、会いたかった人などを見かけた時に話したくても話しかけられない切なさやもどかしさをイメージして、「野原なら まつすぐ走つて ゆけるのに 満員電車で 見つけた背中」と詠みました。

宮城県の職員として東日本大震災の復興事業に携わった仙台市の公益財団法人職員、角田正雄さん(62)は、沿岸部の復興が一歩一歩進んでいる様子を、「積み上げし 瓦礫の丘に 草むして 一雨ごとに 野に還りゆく」と詠みました。

続いて、皇族方の歌が披露され、療養中のため欠席した皇太子妃の雅子さまは、ご一家で那須御用邸の敷地を散策した際、そこに咲く秋の草花の名を愛子さまに教えた時の喜びを、「那須の野を 親子三人(みたり)で 歩みつつ 吾子(あこ)に教(をし)ふる 秋の花の名」と詠んだ歌を寄せられました。

皇太子さまは、9年前、山梨県の笠取山で多摩川の源流となる小さな水の流れを見て、流れゆく先に思いをはせ、「岩かげに したたり落つる 山の水 大河となりて 野を流れゆく」と詠まれました。

皇后さまは、さまざまな野草が育つお住まいの御所の庭で季節季節の自然を楽しみながら、野に住むように過ごしてきたこれまでの生活を感慨深く振り返り、「土筆(つくし)摘み 野蒜(のびる)を引きて さながらに 野にあるごとく ここに住み来(こ)し」と詠まれました。

最後に、天皇陛下の「邯鄲(かんたん)の 鳴く音(ね)聞かむと 那須の野に 集(つど)ひし夜(よる)を なつかしみ思ふ」という歌が詠み上げられました。

この歌は、18年前の秋の夜、那須御用邸の敷地で「邯鄲」というバッタの一種の鳴き声に皇后さまや動植物の研究者たちと耳を傾けた時の思い出を詠まれたものです。

来年の歌会始のお題は「語」で、「語」の文字が詠み込まれていればよく、「語感」や「物語」のような熟語にしてもかまいません。

作品は13日から9月30日まで受け付けられます。

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