アベノミクスの本番はこれからだと思っている。
カギは成長戦略です。
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コラム:アベノミクス進化の鍵はシンガポールにあり=斉藤洋二氏
斉藤洋二 ネクスト経済研究所代表
[東京 1日] - 3月23日に91歳で死去したリー・クアンユー氏はシンガポール建国以来ほぼ半世紀にわたり首相、そして上級相や内閣顧問として国家をけん引した。その独裁的手腕について評価は分かれるが、天然資源に乏しく産業も無い島を発展させ、1人当たり国内総生産(GDP)で日本を大きく上回る世界有数の富裕国に押し上げた功績は大きい。
同氏が交友を深めた(あるいは尊敬していた)政治家としてしばしば鄧小平、朴正煕、吉田茂の3氏が挙げられるように、20世紀後半から21世紀にかけて成長するアジアにおいて、また中国と欧米との仲介役として存在感を発揮した。同時にこの国家リーダーの意向を反映して、シンガポールは英連邦と中華圏の双方に軸足を置くグローバルな情報国家として発展し、その存在意義を際立たせ今日に至った。
今後、日本が観光、貿易、技術立国として再生し、さらに東京が金融センター、情報センターとして国際都市を目指すに当たり、かつてシンガポールが日本に学んだように逆にシンガポールに学ぶところが数多くあるのではないだろうか。
<大中華圏と英連邦の成長センターを結ぶ>
200年余り前の産業革命を機に欧米は急成長したが、その前段階では中国・インドの人口および生産力は世界の50%程度を占めていたとみられ、アジアが世界の中心に位置していた。そして、現代はその時代への回帰の過程だと語られることがある。
これはアンドレ・グンダー・フランクが提唱した「リオリエント」と言われるものだが、現実の世界は太平洋を挟み米中2大国による「G2」の時代に突入していると言っても過言ではない。実際、政治・外交分野では米国が中東から軸足をアジアに向け、経済面でも中国・インドに続き東南アジア諸国連合(ASEAN)の台頭が目覚ましく、アジアがこれからのフロンティアであると言えよう。
このような環境下、地理的にも発展地域の中心に位置する情報の基点としてシンガポールへの期待が高まっている。同国は政治、経済、文化など各分野において中国のみならず欧米とりわけ長く宗主国であった英国の影響を色濃く反映し、欧米と中国の接点としての役割を果たしてきた。 続く...
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