[東京 29日 ロイター] - 日銀が29日に発表した2015年1─3月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は3月末時点で前年比5.3%増の1708兆円となり、過去最高を更新した。企業が保有する現・預金も引き続き、過去最高水準となっている。
<家計の株式保有、100兆円を回復>
家計の金融資産が1700兆円を超えるのは初めて。内訳をみると、引き続き現金・預金が過半の883兆円となっているが、株式や投資信託などリスク性資産の保有も増加している。
株式は3月末に100兆2065億円となり、リーマンショック後では初めて100兆円台を回復した。また、投信残高は95兆円と過去最高を更新し、前年に比べて21.6%も増加。評価額の増加とほど同等の新規資金が流入しており、家計の積極的な投信運用が続いている。
企業の金融資産残高も3月末に1111兆円と過去最高を更新。このうち20%超を占める現金・預金残高が241兆円と過去最高となり、企業が手元資金を厚めに保有する動きが継続している。ただ、対外直接投資や対外証券投資、企業間・貿易信用なども増加しており、これまでの企業の慎重姿勢に変化の兆しもうかがえる。
<海外の国債保有が過去最高に>
一般政府の負債残高は1206兆円となり、こちらも過去最高となった。国庫短期証券や財融債を含めた国債残高1038兆円のうち、国債買い入れを柱に大規模な金融緩和を推進する日銀が275兆円と最大の保有主体で、26.5%を保有している。金融機関は引き続き残高を減らしているが、海外保有が98兆円と過去最高となった。
(伊藤純夫)
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