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Go Toトラベル「東京は感染拡大の中心 断腸の思い」国交相
2020年7月17日 12時46分
観光需要を喚起するための「Go Toトラベル」について、赤羽国土交通大臣は記者会見で、東京発着の旅行を割引の対象から外して今月22日から実施することを明らかにしたうえで、旅行・宿泊事業者に感染防止対策を徹底させる考えを示しました。
この中で赤羽国土交通大臣は「Go Toトラベル」について、東京を発着する旅行はすでに予約されている分も含めて割引の対象から外す形で、今月22日から実施することを明らかにしました。
東京を対象外としたことについて、赤羽大臣は、「ほかの道府県と比べて東京都は特に感染が拡大している状況であり、感染拡大の中心となっている。都内の観光関連事業者や都民からは大きな期待あったので断腸の思いだ」と述べました。
東京でのキャンペーンの開始時期については「引き続き感染状況を注視しつつ、感染症の専門家の意見や政府の全体方針などを踏まえ適切に検討していく」と述べました。
そのうえで赤羽大臣は、キャンペーンに参加する旅行や宿泊事業者には感染防止対策の徹底を求め、取り組みが不十分な場合には参加登録を取り消すとしました。
さらに旅行会社などに対し、「若者の団体旅行、高齢者の団体旅行、大人数で宴会を行う旅行は控えてもらうよう周知してもらいたい」と述べました。
一方、キャンペーンでの料金の割引を期待して旅行を予約した人がキャンセルした場合の対応について、赤羽大臣は「国として補償する考えはない」と述べました。
大分 別府温泉のホテル「関東方面からの集客望めず影響も」
全国有数の温泉地、大分県別府市の宿泊関係者からは期待の声が広がる一方で、東京発着の旅行が対象外になったことで関東方面からの集客が望めないとする不安の声も聞かれました。
全国有数の温泉地、別府市にあるホテル「両築別邸」は新型コロナウイルスの影響で5月末までのおよそ2か月間休業し、売り上げは去年の同じ時期と比べて9割以上落ち込みました。
ホテルでは宿泊客に安心して利用してもらおうと、旅館の入り口で検温を徹底しているほか、大浴場の混雑状況を部屋にあるテレビで把握できるシステムを新たに導入するなどして、客足は少しずつ戻ってきているということで、政府の消費喚起策「Go Toトラベル」にも期待を寄せています。
一方で、このホテルでは東京からの宿泊者が全体の1割ほどいて、東京発着の旅行がキャンペーンの対象外になったことで関東方面からの集客は見込めないとしています。
両築別邸の緒方真美専務は「キャンペーンにありがたい気持ちはありますが、手放しで喜べない部分もあります。夏休みを迎えるにあたって関東方面からのお客様が望めないとなると影響は出てくると思います。ホテルとしてはお客様に安心と安全を提供できるような空間を作っていきたいです」と話していました。
愛媛 松山 カフェ経営者「東京からの客が多く ショック」
愛媛県松山市の観光名所の道後では今後、集客や土産の売り上げが回復するのか不安の声があがっています。
松山市の観光名所、「道後温泉本館」の周辺でも不安の声が多くあがり、8代続いているカフェを経営する70代の女性は「これまで東京からのお客さんが多かったのでショックです。お客さんが入らないと商売にならないので、どの地域から来ても大丈夫なように、消毒液を置くなど対策をとっています」と話していました。
菓子店を営む50代の男性は「県内のお客さんは増えたが、お土産は買って帰らない。東京方面から来られなければ関西や九州から来てもらいたい」と話していました。
一方、観光客のうち40代の男性は「東京だけ除外されるのはかわいそうだし、行く側も分かりにくいが、東京から観光客が来たら感染のリスクもある。私も出身は埼玉で、親に会いに行きたいが今は控えている」と話し、大阪からの夫婦は「コロナウイルスのため、2度訪問を延期し、3度目の正直です。せっかくの旅行で申し訳ない気持ちになるのも複雑です」と話していました。
軽井沢の観光関係者「しかたないが残念」
首都圏から多くの観光客が訪れる長野県軽井沢町の観光関係者などからは「しかたないが残念だ」といった声が聞かれました。
首都圏に近い避暑地として人気の軽井沢町には、年間840万人の観光客のおよそ半数が夏場に訪れます。
「Go Toトラベル」で東京発着の旅行が対象外とされたことについて、地元の軽井沢観光協会の土屋芳春会長は「感染の拡大を考えるとしかたないと思います。東京から訪れる観光客が多く、キャンペーンに期待していたので残念ですが、町としても安全対策をしっかりして観光客を迎えたいと思います」と話していました。
多くの飲食店や商店が並ぶ旧軽井沢銀座通りでタピオカドリンクの専門店を経営している男性は「東京の人たちには申し訳ないですが、今の状況を考えると不安もあります。安全を考えるとやむをえないと思います」と話していました。
箱根 集客など不安視する声も
神奈川県箱根町の土産物店などからは、集客などに影響が出ることを不安視する声が聞かれました。
箱根湯本駅前の商店街で、土産物店の店長の男性は「東京を中心とするお客さんが多いので、集客が望めなくなるのではないかと思います。千葉県や埼玉県などが除外されなかったのはありがたいですが、感染者の数が増えるとともに客足も遠のいていて、キャンペーンが始まることには複雑な心境です。店としてはお客様が箱根町に来て感染することがないよう、気を引き締めたいです」と話していました。
また、せんべい屋を営む女性は「今月からはお客様も増えてきた感覚があったやさきに東京が除外されたので、もうしばらくは、辛抱の時が続くのかと思います。飛まつ防止のカーテンなどの感染症対策を徹底して営業は続けていますが、毎日お店を開けるか閉めるかで悩んでいます」と話していました。
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