首相官邸
【総理ステートメント】9月27日(現地時間)にアメリカ合衆国のニューヨークで行われた「持続可能な開発のための2030アジェンダを採択する国連サミット」における安倍内閣総理大臣ステートメントの【テキスト】を掲載しました。⇒ http://twme.jp/jpn/009B
ガバナンスの重要性
自然の摂理に任せていたら、今の世界は持続可能ではない。
持続できるように支配しなくてはならない。
国連が指針を出して、各国が努力をする。
議長、御列席の皆様、
持続可能な開発の実現に向けた我々の長年の努力が、歴史的なアジェンダの採択に結実しました。
人間を先頭に、地球、繁栄、平和、パートナーシップと続く「5つのP」。そして、女性・保健・教育・防災・質の高い成長などの取組。
新アジェンダは、日本が重視してきたこれらの要素を中核に据えました。2030年までに貧困を地上から撲滅し、持続可能な世界を実現しようとする我々の取組を導くにふさわしい、野心的なものです。
1990年代に国際開発目標を提唱し、今回のプロセスにも一貫して貢献してきた日本は、採択を心から歓迎し、全ての関係者の尽力に敬意を表します。
このユニバーサルなアジェンダの実施には、旧来の「南北」の二分法を乗り越え、全ての国、民間企業、市民社会など、あらゆるステークホルダーが役割を果たす、新たなグローバルパートナーシップが不可欠です。女性も、障害者も、若者も参加する取組が必要です。
日本自身がその一員として、国際社会と共にアジェンダ実施に最大限努力することを、冒頭に申し上げます。
議長、
日本は、約3,300億ドルのODA、56万人の研修員受入れ、19万人の専門家やボランティアの派遣を通じ、60年以上にわたり、国際社会の安定と繁栄に貢献してきました。この実績の上に、今後もアジェンダ実施を推進します。
その羅針盤は、日本の開発協力の方向性を示すべく本年定めた開発協力大綱です。中でも、指導理念として掲げた、一人ひとりの人間を大切にする人間の安全保障の思想です。
アジェンダ実施のため、第一に、貧困の撲滅に向け、包摂的、持続可能かつ強靱な「質の高い成長」を追求します。
その基盤となる質の高いインフラへの投資を、アジアはもちろん、アフリカを含む世界各地で推進します。
開発協力を触媒に、民間の資金や技術とのパートナーシップを拡大します。また、鍵となる人づくりのために、日本の強みである高い教育力と技術力を生かした産業人材育成を推進します。
第二に、誰一人取り残されないよう、脆弱な人々の保護と能力強化を重視します。
これに不可欠な保健の分野で、保健システム強化を通じ、エボラ出血熱の感染拡大のような危機対応とユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進を目指す新たな協力方針を発表しました。
教育でも、質の高い学びや産業・科学技術人材育成に取り組む新たな協力方針として、「平和と成長のための学びの戦略」を策定しました。
防災では、3月に採択された仙台防災枠組の実施をリードします。また、津波に対する意識啓発のため、国連での「世界津波の日」の制定を各国に呼びかけます。
第三に、持続可能な環境・社会づくりの実現に向け、日本としても一層努力します。
気候変動分野では、特に脆弱な途上国への支援を着実に実施しながら、COP21におけるすべての国が参加する公平かつ実効的な国際枠組みの構築に、積極的に貢献します。
また、リデュース・リユース・リサイクルの3Rを始め、我が国が誇る循環型社会形成の知見や取組を、世界に共有します。
第四に、この度、世界最大、1兆ドル規模の年金積立金を運用する我が国のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、国連の責任投資原則に署名しました。これは、持続可能な開発の実現にも貢献することとなるでしょう。
議長、
3か月後には、2030年に向けた最初の一年が始まります。アジェンダの実践をすぐにも進めなければなりません。
来年の世界人道サミットや初めてアフリカで開催する第6回TICADといった機会も活用して、持続可能な開発という重要な課題に対処していく決意を改めて強調したいと思います。
御清聴ありがとうございました。
【総理ステートメント】9月27日(現地時間)にアメリカ合衆国のニューヨークで行われた「持続可能な開発のための2030アジェンダを採択する国連サミット」における安倍内閣総理大臣ステートメントの【テキスト】を掲載しました。⇒ http://twme.jp/jpn/009B
ガバナンスの重要性
自然の摂理に任せていたら、今の世界は持続可能ではない。
持続できるように支配しなくてはならない。
国連が指針を出して、各国が努力をする。
議長、御列席の皆様、
持続可能な開発の実現に向けた我々の長年の努力が、歴史的なアジェンダの採択に結実しました。
人間を先頭に、地球、繁栄、平和、パートナーシップと続く「5つのP」。そして、女性・保健・教育・防災・質の高い成長などの取組。
新アジェンダは、日本が重視してきたこれらの要素を中核に据えました。2030年までに貧困を地上から撲滅し、持続可能な世界を実現しようとする我々の取組を導くにふさわしい、野心的なものです。
1990年代に国際開発目標を提唱し、今回のプロセスにも一貫して貢献してきた日本は、採択を心から歓迎し、全ての関係者の尽力に敬意を表します。
このユニバーサルなアジェンダの実施には、旧来の「南北」の二分法を乗り越え、全ての国、民間企業、市民社会など、あらゆるステークホルダーが役割を果たす、新たなグローバルパートナーシップが不可欠です。女性も、障害者も、若者も参加する取組が必要です。
日本自身がその一員として、国際社会と共にアジェンダ実施に最大限努力することを、冒頭に申し上げます。
議長、
日本は、約3,300億ドルのODA、56万人の研修員受入れ、19万人の専門家やボランティアの派遣を通じ、60年以上にわたり、国際社会の安定と繁栄に貢献してきました。この実績の上に、今後もアジェンダ実施を推進します。
その羅針盤は、日本の開発協力の方向性を示すべく本年定めた開発協力大綱です。中でも、指導理念として掲げた、一人ひとりの人間を大切にする人間の安全保障の思想です。
アジェンダ実施のため、第一に、貧困の撲滅に向け、包摂的、持続可能かつ強靱な「質の高い成長」を追求します。
その基盤となる質の高いインフラへの投資を、アジアはもちろん、アフリカを含む世界各地で推進します。
開発協力を触媒に、民間の資金や技術とのパートナーシップを拡大します。また、鍵となる人づくりのために、日本の強みである高い教育力と技術力を生かした産業人材育成を推進します。
第二に、誰一人取り残されないよう、脆弱な人々の保護と能力強化を重視します。
これに不可欠な保健の分野で、保健システム強化を通じ、エボラ出血熱の感染拡大のような危機対応とユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進を目指す新たな協力方針を発表しました。
教育でも、質の高い学びや産業・科学技術人材育成に取り組む新たな協力方針として、「平和と成長のための学びの戦略」を策定しました。
防災では、3月に採択された仙台防災枠組の実施をリードします。また、津波に対する意識啓発のため、国連での「世界津波の日」の制定を各国に呼びかけます。
第三に、持続可能な環境・社会づくりの実現に向け、日本としても一層努力します。
気候変動分野では、特に脆弱な途上国への支援を着実に実施しながら、COP21におけるすべての国が参加する公平かつ実効的な国際枠組みの構築に、積極的に貢献します。
また、リデュース・リユース・リサイクルの3Rを始め、我が国が誇る循環型社会形成の知見や取組を、世界に共有します。
第四に、この度、世界最大、1兆ドル規模の年金積立金を運用する我が国のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、国連の責任投資原則に署名しました。これは、持続可能な開発の実現にも貢献することとなるでしょう。
議長、
3か月後には、2030年に向けた最初の一年が始まります。アジェンダの実践をすぐにも進めなければなりません。
来年の世界人道サミットや初めてアフリカで開催する第6回TICADといった機会も活用して、持続可能な開発という重要な課題に対処していく決意を改めて強調したいと思います。
御清聴ありがとうございました。
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