どう‐り〔ダウ‐〕【道理】
[名・形動]
1 物事の正しいすじみち。また、人として行うべき正しい道。ことわり。「―をわきまえる」「―に外れた行為」
2 すじが通っていること。正論であること。また、そのさま。「言われてみれば―な話」
理
中国哲学用語。物の真実な存在を規定する唯一性をいう。古代には人の性や絶対普遍の道に対し,個々の物の真実を規定するものをいったが,次第にすべての物の実在を規定する普遍的理が考えられ,12世紀頃から,いわゆる理気二元論の立場の朱子学では,性は形而上的本質であって,普遍的であるとともに形而下の個物の実在を規定するとし,また存在論的な「所以然〈しかるゆえん〉の故」と実践的な「所当然〈まさにしかるべきところ〉の理」とを説く。
形而上
形而下に対する語で,道の形容。『易経』繋辞伝に「形而上なるもの,之を道と謂ひ,形而下なるもの,之を器と謂ふ」とある。『易経』での原義は具体的な形をこえたものということであったが,のちにさまざまな意味が付加された。 《「易経」繋辞上から》
1 形を備えたもの。物質的なもの。
2 哲学で、感性を介した経験によって認識できるもの。時間・空間を基礎的形式とする現象的世界に形をとって存在するもの。⇔形而上。 五経(ごきょう)の一。伏羲(ふっき)氏が初めて八卦(はっけ)を作り、孔子が集大成したといわれるが未詳。天文・地理・人事・物象を陰陽変化の原理によって説いた書で、元来、占いに用いられた。六十四卦(け)およびそれぞれの爻(こう)につけられた占いの文章(経)と、易全体および各卦について哲学的に解説した文章(伝もしくは十翼という)とから成る。周代に流行したところから周易ともいう。易。 儒教の経典として最も尊重される五つの経書。「易経」「詩経」「書経」「礼記(らいき)」「春秋」。→四書 「大学」「中庸」「論語」「孟子」の4部の書。五経と並んで儒学の基本となる書。 中国、戦国時代の思想書。1巻。著者・成立年未詳。もと「礼記(らいき)」の中の一編であったが、宋の司馬光が抜き出して「大学広義」1巻を作り、のち、程顥(ていこう)・程頤(ていい)が定本を、1189年に朱熹(しゅき)が「大学章句」を作って、四書の一とした。治者の倫理・道徳に関する三綱領・八条目を立て、儒教の学問の階梯(かいてい)を説いたもの。
[補説]三綱領は治者の目標となる明明徳・止至善・新民の三つ。八条目は三綱領を実現するための修養で、格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下の八つ。 中国、戦国時代の思想書。1巻。子思の著と伝えられる。「礼記(らいき)」中の一編であったが、朱熹(しゅき)が「中庸章句」を作ったことから、四書の一として儒教の根本書となった。天人合一の真理を説き、中庸の誠の域に達する修養法を述べる。 [名・形動]
1 かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。「―を得た意見」「―な(の)精神」
2 アリストテレスの倫理学で、徳の中心になる概念。過大と過小の両極端を悪徳とし、徳は正しい中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとした。 中国の思想書。20編。孔子没後、門人による孔子の言行記録を、儒家の一派が編集したもの。四書の一。処世の道理、国家・社会的倫理に関する教訓、政治論、門人の孔子観など多方面にわたる。日本には応神天皇の時代に百済(くだら)を経由して伝来したといわれる。 [前372ころ~前289]中国、戦国時代の思想家。鄒(すう)(山東省)の人。名は軻(か)。字(あざな)は子輿(しよ)。仁義王道による政治を説き、自ら孔子の継承者をもって任じ、性善説・易姓革命説を唱えた。後世、「亜聖(あせい)」と称される。
の言行や思想を記した書。7編。後漢の趙岐(ちょうき)が各編を上下に分けて注を加え、14巻とした。宋代以降経書に数えられ、朱熹(しゅき)の「孟子集注」により四書の一つとして重んじられた。 中国最古の詩集。五経の一。孔子編といわれるが未詳。周の初めから春秋時代までの詩305編を国風・雅・頌(しょう)の3部門に大別。国風は諸国の民謡で15の風、雅は朝廷の音楽で小雅・大雅の二つ、頌は宗廟(そうびょう)の祭祀(さいし)の音楽で周頌・魯頌・商頌の三つがある。漢の毛亨(もうこう)らが伝えたものだけが現存するので「毛詩」ともいう。 中国の経書。五経の一。20巻、58編。孔子の編といわれる。尭(ぎょう)・舜(しゅん)から周までの政論・政教を集めたもの。もと「書」「尚書」。宋代から「書経」とよばれる。秦の焚書(ふんしょ)で散逸、前漢の伏生(ふくしょう)の口伝「今文(きんぶん)尚書」と、孔子の旧宅で壁中から発見された「古文尚書」との二系統があったが、現在「古文」とされている「書経」は東晋の梅賾(ばいさく)の偽作。 中国、前漢時代の経書。五経の一。49編。「儀礼(ぎらい)」の注釈および政治・学術・習俗など礼制に関する、戦国時代から秦・漢時代の説を集録したもの。今の「礼記」は戴聖(たいせい)が戴徳(たいとく)の「大戴礼」を削って編集した「小戴礼」をさす。「大学」「中庸」はその一部。三礼(さんらい)の一。 中国、春秋時代の歴史書。五経の一。魯(ろ)(山東省)の史官の遺した記録に孔子が加筆し、自らの思想を託したといわれる。魯の隠公元年(前722)から哀公14年(前481)までの12公、242年間の編年体の記録。のちに、孔子が加筆した意図を解釈し、あるいはその記事を補うために公羊伝・穀梁伝・左氏伝の春秋三伝が作られた。
「春秋時代」の略。
[名・形動]
1 物事の正しいすじみち。また、人として行うべき正しい道。ことわり。「―をわきまえる」「―に外れた行為」
2 すじが通っていること。正論であること。また、そのさま。「言われてみれば―な話」
理
り
Li
りきにげんろん【理気二元論】
程頤(ていい)の説を受け継いで朱熹(しゆき)が大成した宋学の形而上学的原理。物質を形成する素材およびその運動を気ととらえ,気を統制する原理であり,その運動に内在して全存在を貫く根拠となり,人間にあっては道徳原理となるものを理として,理気二元により存在の構造を解明する。
形而上
けいじじょう
Xing-er-shang
けいじ‐か【形×而下】
1 形を備えたもの。物質的なもの。
2 哲学で、感性を介した経験によって認識できるもの。時間・空間を基礎的形式とする現象的世界に形をとって存在するもの。⇔形而上。
えききょう〔エキキヤウ〕【易経】
ご‐きょう〔‐キヤウ〕【五経】
し‐しょ【四書】
だいがく【大学】[書名]
[補説]三綱領は治者の目標となる明明徳・止至善・新民の三つ。八条目は三綱領を実現するための修養で、格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下の八つ。
ちゅうよう【中庸】[書名]
ちゅう‐よう【中庸】
1 かたよることなく、常に変わらないこと。過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。「―を得た意見」「―な(の)精神」
2 アリストテレスの倫理学で、徳の中心になる概念。過大と過小の両極端を悪徳とし、徳は正しい中間(中庸)を発見してこれを選ぶことにあるとした。
ろんご【論語】
もうし〔マウシ〕【孟子】
の言行や思想を記した書。7編。後漢の趙岐(ちょうき)が各編を上下に分けて注を加え、14巻とした。宋代以降経書に数えられ、朱熹(しゅき)の「孟子集注」により四書の一つとして重んじられた。
しきょう〔シキヤウ〕【詩経】
しょきょう〔シヨキヤウ〕【書経】
らいき【礼記】
しゅんじゅう【春秋】[書名]
「春秋時代」の略。
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