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2018年6月29日金曜日

役員報酬

 上場企業の役員報酬で「1億円プレーヤー」が増えている。2018年3月期に1億円以上の報酬を得た役員の人数は前の期比15%増の538人と初めて500人を超えた。競争の土俵が世界に広がるなか、優秀な経営者には高額の報酬を与える欧米型の体系に日本も近づいてきている。




 東京商工リサーチが29日現在の有価証券報告書を基に集計した。1億円以上の報酬を付与する企業の数も17社増え、240社と過去最多だった。

 上位10人にはソフトバンクグループから4人が入った。米携帯子会社スプリント最高経営責任者(CEO)のマルセロ・クラウレ氏、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに投資助言をするラジーブ・ミスラ氏はともに10億円を超えた。孫正義氏は1億3700万円。1位はソニーの平井一夫氏で27億円だった。会社別では三菱電機(22人)や日立製作所(18人)が目立った。

 上位10人のうち、5人は外国人だ。企業はグローバル競争を強いられ、戦略策定がより難しくなるなかで、「プロ経営者」と呼ばれる外部人材の登用も相次いでいる。高額報酬に対応するため、役員報酬の上限を上げる企業も出ており、ソフトバンクは金銭による報酬額を取締役全体で年50億円以内(従来は8億円以内)と変更した。

 欧米流の業績・株価に連動する報酬の導入が広がった影響もある。上場企業の18年3月期の純利益は35%増の29兆円と2年連続で最高を更新。好業績を受けて株価が上昇する企業も相次いだため、役員報酬が上積みされた面がある。

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